未分類

「助け合い連鎖を」 アジア出身女性支援に寄付募る 神戸・南京町の料理店

Pocket

アジア出身の女性らに働く場を提供してきた「神戸アジアン食堂バルSALA」(神戸市中央区元町通2)が、新型コロナウイルスの流行で苦境に陥り、店長の黒田尚子さん(30)が店の存続と在留外国人の支援のために寄付を募っている。きっかけは、旧知のフィリピン人女性が帰国できず、住む家も失ったこと。厳しい状況にある2人だが「互いに助け合える社会を」と前を向いている。

 「コロナで飛行機が飛ばなくなって、家の退去日ももうすぐ。どうしよう」。4月9日、黒田さんに友人のフィリピン人、セシル・モンテネグロさん(38)からメッセージが届いた。いつもは明るいセシルさんの言葉に、珍しく困惑の色がにじんでいた。

 セシルさんは夫のクリストファー・フロレンティーノさん(40)と共に兵庫県尼崎市の自宅を20日に退去し、21日に帰国する予定だった。だが飛行機は欠航続き。仕事を辞めたため収入もなく、住む家を探していた。

 ちょうど店の経営を続けるためのクラウドファンディング(CF)を計画していた黒田さんは、対象をセシルさんの支援にも広げることにした。「絵を描くことで元気になってほしい」と、セシルさんには返礼品にする絵の制作を頼んだ。

 5年目に入った黒田さんの店も売り上げは前年の2割程度と苦境が続く。タイやネパール出身の9人を雇い「自立支援」を促す役割も果たしてきたが、持ち帰り専門に切り替えた4月8日以降は勤務を控えてもらわざるを得なくなった。そこでCFで5月31日までに300万円を目標に寄付を募り、7割を経営資金に、残りを返礼品の制作やセシルさんらの支援に充てることにした。

 セシルさんは夢中で「人々が支え合って生きることの大切さを込め」大きなアマビエが手を取り合う人たちを包み込む絵を描き上げた。返礼品は、この絵をもとにクリストファーさんがデザインしたTシャツや帽子などだ。

 セシルさん夫妻は、NGO「神戸外国人救援ネット」(神戸市中央区)の支援を受け、神戸市長田区で仮住まい中だ。黒田さんからは時折グリーンカレーの差し入れがある。先は見通せないが「たくさんの人に助けてもらってありがたい」と話す。

 セシルさんも、5年前から母国の女性団体で人権や貧困の問題に携わってきた。黒田さんとはその団体がきっかけで出会い、店の壁画を描くなど親交を深めてきた。いま、「いろいろな国の人が助け合う社会を」という思いをかみしめる。黒田さんも「助け合いが連鎖する世界であってほしい」と願う。

 CFの詳細はhttp://camp-fire.jp/projects/268774/backers。

帰国できず、給付金は対象外

 日本に住む外国人の生活は新型コロナの影響を受けやすい。公的な支援情報を十分に把握できなかったり、雇用形態が不安定だったりすることが多いからだ。セシルさんのように帰国できなくなったケースもある。

 セシルさんに住居を提供したNGO「神戸外国人救援ネット」相談員の草加道常さんによると、急な雇い止めにあったり、融資を断られたりした外国人からの相談も寄せられている。「新型コロナの流行が始まった3月は、雇用期間が終わったり、学校を卒業したりして帰国する時期。母国に戻れなくなった人も相当数いる」という。

 帰国できなくなった場合は短期滞在(90日)を申請できるが、この資格では就労できないうえに住民票がなくなるため、政府による1人当たり一律10万円の給付金はもらえない。

 入管庁によると、永住資格を持たずに兵庫県内で暮らす外国人は約5万2000人(2019年12月現在)。草加さんは国や自治体に対して「外国人にも日本人と同じ支援をし、分かりやすく情報を届ける努力をすべきだ」と話している。【中田敦子】

 

引用元:https://mainichi.jp/articles/20200519/k00/00m/040/084000c

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です